本日は南座 顔見世興行の初日です。きっと今頃たくさんのお客様で賑っていることでしょう‥‥
顔見世といえば、京都の冬の風物詩で「もう師走やわぁ、気忙しい」と思われる方も多いはずです。
歌舞伎の世界では、この日から1年が始まるおめでたい日でもあります。
南座、特にこの顔見世には思い出がたくさんあって‥‥
4つになる頃から祖父母に手をひかれキモノで連れてもらっていました。
以前は初日は通し(昼の部と夜の部通して観る)で1階桟敷で歌舞伎をじっくり鑑賞、と言ってもストーリーは解からず、
ただただきれいなお姫様が登場することを楽しみにしていた記憶があります。
今と違い当時は桟敷も正座で黒塗りの戸をギーーっと開けて‥‥
そして深夜までお芝居は続いていました。雪が舞っている中、私は泣く泣く迎えの母に連れられ、帰らされることに。
もうひとつ大切な思い出は、お土産の生八橋 私は「べろべろ」と呼んでいて軟らかく、ニッキのお味が大好きでした。
改築前の南座 顔見世には小屋のにおいや空気感そして味と共に鮮明に残っています。
毎年、顔見世にはそのたくさんの思い出と一緒に寄せてもらっています。
今年は夜の部が踊りの演目が2題、「お祭り」 「爪王」
「お祭り」は山王日枝神社の祭礼の日、鳶頭が、江戸の気風うの良さ威勢の良さとほんのり色気を滲ませて踊る、
とても華やかで楽しい演目です。
「爪王」は今回初めての演目で、勘九郎・七之助兄弟が出演、注目のお二人ですので期待の演目です。
昔は演目替わりで衣装(キモノ)も着替えて最高の贅沢で観劇していたとも言われています。
歌舞伎界のお正月でもありますので、何かひとつ新調したモノを身につけ寄せていただこうと思っています。