先日、東京に住む娘のところへ用事があり行ってきました。
その際、以前テレビで105歳の日野原重明さんと104歳の篠田桃紅さんの対談を見たことがあり、篠田さんが
今も創作活動を続けている美術家だということを初めて知りました。
その話し方や姿に感心したことを覚えています。
そんな篠田さんの作品展が、同じころ東京の菊池寛実記念智美術館で、行われていることを新聞で目にしたので、高校時代の友人を誘って行ってきました。
美術館は、大都会のビル群の中にありながら、そこだけ緑に囲まれた落ち着いた雰囲気の場所でした。
入り口を入り、螺旋階段を下りると、地下一階に展示室があり、ゆっくりと作品を見て回ることができました。
篠田さんが「私の作品は、様式がなくパッと心に浮かんだものを見える形にした」と言われている通り、
黒や朱色の墨を濃淡の変化で表したり凛とした直線で表したりと、今まで見たことのない作品で印象的でした。
その中で心引かれた作品が、「もみじ」という作品でした。
すみれいろに近いような朱墨を背景に銀で在原業平の歌が、まろやかな書体と時に鋭い線で書かれた素敵な作品でした。しばらく見いって居ました。
個性的な作品と104歳でもなお創作活動に打ち込んでいる篠田桃紅さんのパワーに圧倒された一日でした。
C・T