京都国立博物館で10月3日から11月26日まで、開館120周年記念特別展覧会が行われました。
国宝展の中には、仏像、絵巻物、工芸品等が多数あり、展示物は、1期から4期に分かれ入れ替わり出品される物がありました。
私は、2,3,4期に行き、どの回も多くの人が列を作って並び、入場まで1時間から1時間半程かかりました。
1回目は、10月22日(日)に家族で行きました。
館内は、混雑して身動きがとれないところもあり、それぞれ自由行動で見学しました。
私は、1階から順に回り、大日如来坐像、雲中供養菩薩像等素晴らしい仏像を見、2階では、雪舟の有名な
絵や風神雷神図屏風を見、3階では、火焔土器や土佐日記等、学生時代歴史の教科書で見たような実物を
目の前で見られて感動しました。
そして、このように古いものを大切に守ってきてくれた多くの人々に感謝したい気持ちで一杯になりました。
2回目は、11月3日(金)で3期の展示物を見ました。
印象深かったのは、伝源頼朝像。凛々しく端正な顔立ちとその佇まいに魅了されました。
また、長谷川久蔵作桜図壁貼付に足が止まり、絵を堪能しました。
そして、3階では、志賀の島で出土した「金印」を見ることができました。
2㎝四方の小さな印でしたが、金色にまぶしく光り輝き、とても美しかったです。
3回目は、11月25日(土)に行きました。ある作品に再会するためでした。
10年ほど前、米国に住む友人夫妻との旅でメトロポリタン美術館に行きました。
そこで思いがけず出合った絵が尾形光琳作燕子花(かきつばた)図屏風でした。
遠く離れた異国の地でこの日本画を目にすることができたことに驚きましたし、金屏風に描かれた群青色と
緑の色彩が凛として美しく、ただ一人静けさの中で見続けることができるという幸運に恵まれました。
今回は、その燕子花図屏風が里帰りするということで多くの人が見学に訪れ、絵の前を順番に並んで見ると
いう状況でしたが、再び見ることができた喜びでいっぱいになりました。
そして、3階でその絵の全体を静かに見られるスペースを見つけ眺めていると、初めて見た時の感動が
蘇えってきました。「帰ってきてくれてありがとう。」と、思わず呼び掛けていました。
国宝でありながら、海を渡り、容易にみることのできなかった燕子花図屏風を多くの日本人が見ることが
できたことは、嬉しいことです。
そして、私には、この絵もきっと喜んでいるように思いました。
今後、数十年後再び里帰りが実現し、まだ生きていたら「おかえりな さい。」と言って再会したいと思う
唯一の絵です。
C・T
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