さくら、滴る

毎日、自転車をこぎこぎ通勤しながら花見をしています。
晴れている日のさくらもいいけれど、
雨の日のさくらもまた、オツなものです。
春の長雨を含んだ花が、ずっしりと滴る姿は滋味深く。
夜になると、濡れた並木はまた違った表情を見せます。
街灯のあかりに、無造作に照らされ、きらきらと光る。
そんな、美しい映像の通り過ぎてゆくことに、心をほころばせつつ、日々いそしんでいます。
大学を卒業し、あたらしい生活がはじまりました。
めまぐるしく、色々な出来事や、感情や、感傷が、
せまい時間の中にぎゅぎゅぎゅっ!と詰められて、密度の高い日々です。
あっという間なのに、ものすごく長く感じる。
「まだ中旬?」と「もう中旬?」が同居している、ふしぎな感覚です。
忙しいときこそ、
花を愛でたり、
お稽古をしたり、
ネギを刻んだり。
心をまっさらにする時間を、大切にしたいと思います。
T・T

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